念願のロケットストーブを作ってみた
ストーブなのにロケット!?
名前だけですごそうなストーブが自作できるというではないですか。
Wikipediaさんによるとロケットストーブは次のような過程で燃焼していくそうです。
・ロケットストーブは、その中央に上下方向に沿ったヒートライザー(熱上昇路)がある。
・ヒートライザー下部、水平方向にバーントンネル(燃焼路)があり、バーントンネルの入り口が焚口になっている。
・バーントンネルにくべられた薪が燃焼すると木ガスが発生する。
・発生した木ガスがヒートライザー内で二次燃焼を起こす。
・煙突効果が生じ、ヒートライザー内部に強い上昇気流が発生する。
・上昇気流によりバーントンネルに負圧が生じ、外気がバーントンネルに引き込まれる。
パッと見なんだかよくわかりませんが、水平方向にまず燃料が燃える「燃焼路」があり、そこからヒートライザーという「熱上昇路」がある構造内で効率的に燃料が燃えていく構造のようです。
「燃焼効率がいいので少ない燃料で強い火力が得られる」ロケットストーブは停電時や日常の煮炊きに使えるかも!ということで早速作ってみることにしました。
実はこれ以外の理由に、DIYで木っ端がたくさんでるのですが、その処理もちょっとどうしようかなと思っていたんですよね。
うちは田舎なので隣家とはそれなりに距離は離れているんですが、それでも煙がモクモクとでてくるとちょっと気を使ってしまう。
煙が少ないということであればとてもいいじゃないですか。
用意した材料
今回用意したものは下記のとおり。
・一斗缶2個
・パーライト14L 一袋 →後述しますがちょっと足りなかった(汗)
・ステンレス煙突T曲 100Φ
・ステンレス煙突 半直筒 100Φ
・ステンレス煙突 エビ曲90° 100Φ
・耐熱アルミテープ
・金切はさみ
一斗缶は会社で余っていたものをいただいてきました。
煙突もできれば廃材的なものを探していたのだけどなかったので購入。
パーライトはこれ軽いんですね。この袋が片手で軽々持てるのでびっくりしました。
畑の土壌改良にいいみたいなのでこんど使ってみようかな・・・。
多孔質で断熱効果も高いようです。
煙突は100Φのものを購入しましたが、106Φや120Φなどいろいろあり、実際どれでも問題なさそうです。
たくさん燃やしたい場合は径が大きい方がいいかもしれませんね。
シールを剥がしかけてから「あ!写真撮ってない」と慌てて撮影(笑)
その他3Mの耐熱アルミテープも用意しました。
製作開始
一個目の一斗缶を加工
まず煙突を一斗缶の側面に当て、マジックで外周をなぞります。
そしてクギや千枚通し、キリのように先端が尖ったものでテキトーに穴を空けます。
穴を空けたらこいつの出番。
金切りはさみ!
ずっと欲しかったのでこの際購入しました。
空けた穴をちょっと大きくしてから金切はさみの先端を入れ、ガシガシ切っていきます。
できるだけ細かく切ったほうが円周に対してキレイに曲げることができました。
ちなみにこの作業、手袋必須です。
革手袋が推奨ですが、それなりに厚さがあるものであれば問題なさそう。
側面に穴を空けたらこんどは天面をカットします。
金切はさみ、これどんどん切れて気持ちいいですねw
じゃーん、とりあえずこんな感じでカットができました。
天面のカットした外周はあとで隠してしまいますが、なんとなく危なそうだったので金づちで叩いてバリをつぶしておきました。
ステンレス煙突 エビ曲90°を装着。
いい感じ。
上から見るとこんな感じです。
これだけでもなんだかストーブっぽくなってくるので不思議です。
エビ曲にT字をつけてみました。このT字部分が燃料を入れる場所になります。
2個目の一斗缶をカット
もう一個の一斗缶をカットします。
高さは適当です。煙突が高いほど良いらしいのですが、あまり長すぎてもバランス悪いのでこれくらいにしておきました。
そしてその天面には丸く穴をあけます。
ちょっと半直筒を差し込んでみましたがいい感じですね。
下の一斗缶に重ねる際にサイズが同じなのでどうやって固定しようか思案していましたが、たいしたアイデアも浮かばなかったので切り込みを入れて組み合わせる形に。
パーライトを投入
そして断熱材となるパーライトを投入していきます。
このとき煙突の位置が変な位置にならないように慎重に投入。
あるサイトでは14Lで少し余ったと書いてあったのですが、こちらは14Lだと一斗缶の途中で終わってしまいましたw
まあ煙突も固定できているし、よしとしますか。
ダメだったらあとで修正しよう。
最終加工
カットした二個目の一斗缶を一個目の一斗缶に重ね、耐熱アルミテープで固定します。
最後に飛び出した煙突をカットして終了。
ゴトクが欲しくなりますね。
つい先日古い七輪を処分してしまい、ゴトクも一緒に処分してしまったのが惜しまれる。
着火
そしていよいよ着火してみます。
細かい木を少し入れて、ちょっと大きめの木も投入。
最後に枯れた芝を入れて火を着けたらあっという間につきました!
なんせ材木の端材がたくさんあるんですよ。
一部腐っていたりクギが抜けなかったり使用に難があるものが多い。
でも薪にするととてもいい燃料になります。
火が着いたらすぐに「ボーッ!」という音とともに強い火力が確認できました。
ロケットストーブスゲー!!!
たいして薪を使っていないのにかなりの火力で燃えています。
ちょっとアスファルト部の熱が心配になり、ブロックの上に置き直しました。
入っているのが軽いパーライトなので見た目にくらべ、だいぶ軽い。
そしてパーライトの断熱効果のおかげか手袋をすれば問題なく持つことができました。
T字とエビ曲の継ぎ目は真っ赤になってるんだけど大丈夫だろうか・・・。
特に溶けることはありませんでしたが、なんとなく落ち着きませんね。
でもそれだけ火力が強いという証拠!!
「とっかん」ってわかりますか?
僕が小さい頃には田んぼで稲刈りをしたあとに落ち穂拾いをして、焚き火の中に入れてポップコーンのようにして食べたものです。
子どもたちはいまこの経験をしたことがないので興味津々。
せっかくなのでお湯を沸かしてみることに。
半端な材木で下駄をはかせて網を乗せましたが材木が燃えるのでやっぱりゴトクがほしい。
それにしても煙が全然といっていいくらい出ないのでこれにはびっくりしました。
これなら火を燃やしても近所迷惑にならない。
暗がりの中で
辺りが暗くなってくると火がとてもいいですね。
火を見ていると心が落ち着く瞬間。
それにしても煙突が真っ赤になってるけど大丈夫なんだろうか・・・。(キレイだけど)
思いつきで焼き芋をしてみることにしました。
畑で収穫したイモを濡れた新聞紙でくるみ、アルミホイルで巻きます。
炎の上はちょっと火力強すぎな感じなのでちょっと離したほうがよさそう。
それにしてもよく燃えますね。
普通に焚き火して焼き芋するよりもずっと効率よさそうなイメージです。
火力が強いので焼き芋は自然と煙突口の外周に。
あとで食べてみましたがめっちゃうまく焼き芋できました。
残った灰。
2時間くらい燃やしていたのですがあまりにも灰が少なくてびっくり。
それだけ完全燃焼しているということなんでしょうね。
ちなみにこのT字は横に蓋がついていてとれるようになっているので、灰の処理は簡単です。
まとめ
ロケットストーブを作ってみてわかったことは次のとおり。
・製作は簡単(作業時間1時間ちょっと)→慣れれば1時間かからない
・少ない燃料で強い火力が得られる →燃料が少なくてもそれなりに使える
・煙が少ない →近所迷惑にならない
・灰が少ない →灰を捨てる作業回数が少ない
非常時に使えればなあという気持ちが強かったのですが、考えていた以上に普段遣いできることがわかりました。
煙が少ないのは住宅密集地でも使える可能性が高いですね。
なんとなく作ってみたロケットストーブですがこれは一家に一台あるととても便利。
実はロケットストーブでピザ焼き窯(石窯)が作れるとの情報をゲットしたのでいつか作ってみようと思っています。
超楽しみ♪
※めんどくさい人は市販のものを買うのもアリです。
そして畑に土を掘って作った「だけ」のこれも立派なロケットストーブになりました!
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