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災害発生地で初めてのボランティア ~ 行動編(その2)

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長野ベリーファームさんへ

今回伺ったのは堤防決壊点よりも少し上流にあたる穂保(ほやす)地区。

堤防から越水している状況だけでも恐ろしいのに、この越水によって堤防がえぐられ、破堤してしまった。

下の写真では右奥が穂保になるのだけど、越水のときだけでもおびただしい量の水が行っているのがわかる。

あぐりながぬまの農産物直売センターの裏にあるベリーファームさんも複数のいちご狩りハウスが浸水。

浸水してから1週間後というのにまだまだ残る水と泥。

いちご狩り園は泥が堆積して、中に入ると移動が大変。

泥が20~30cmも堆積して一度足を踏み入れると長靴が抜けなくなる。

頭上のシートには泥水が来た跡。

この泥、融けかけたチョコレートというか、やわらかめの羊羮というか、とにかく粘っこくてすさまじく重い。

角スコップを入れても持ち上げるだけで一苦労。

これから本番を迎えるいちごも泥をかぶり、どれくらいが生き残れるかわからない状態。

機械が入らないのでこれだけの泥を人力で掻き出すのは途方も無い。

前日まで泥の中に埋まったマルチ(ビニール)やらいろいろを外に出す作業をしていたとのこと。

泥を含んだビニールはすさまじく重い。

今回はこのビニールを軽トラにのせて別の場所に降ろす作業をお手伝いした。

国道18号線は大渋滞。

土が乾いてくると細かい砂埃が一面に舞い、視界が霞むほど。

マスクをしていないと喉がすぐ砂っぽくなる。

知らなかったけど、穂保には「避難高台公園」という高台があるんですね。

ハザードマップを見ると一帯に逃げるところがないので作った様子。

炊き出しなどの基地になっていたようでした。

何度もビニールを積んでは運び、降ろす。

泥まみれでクソ重たいビニールは持ち上げれば腰が悲鳴を上げ、引っ張れば腕が限界を迎える。

本当ならこの日地区の運動会だったのだけど、一生もう綱引きはやらなくていいくらいビニールを引っ張った。

ビニールハウス前のりんご園はあちこちから運ばれてきたいろいろなものが落ち、木にひっかかっている。

土砂も厚く堆積しているので復旧は相当大変だと思われる。

あちこちに落ちているりんご。

収穫間近だったものがみんな落ちて泥まみれ。

そして腐敗して臭いを放っている。

自分で昼食も用意してきていたのに、せっかくだから食べてとおにぎりと一緒にいただいた。

温かいものは元気づけられるね。

朝から夕方までひたすら何往復も運び続け、軽トラは泥だらけ。

朝はピカピカだったのに(汗)

そして自分も泥だらけ。

泥が跳ねてメガネも顔もマスクも帽子もみんな泥だらけ。

帰ってきて長靴を洗ったのだけど、何度洗ってもキレイにならない。

住宅が浸水した人は拭いても拭いても砂っぽくなってしまうという意味がよくわかる。

翌朝の新聞。

軽トラに乗る自分が写ってた。

全国放送のテレビにも映っていたらしい。

それにしても家に帰ってもうヘトヘト。

全身筋肉痛で夜はよく眠れなかった。

自分は1日だけだったからいいけど、あの作業が毎日続くと思うとゾッとする。

ただでさえ自分の大切なものをいろいろと失って気持ちが落ち込む中、体力の消耗は相当堪えると思う。

息の長い支援が必要

ボランティアがが来てくれるのは基本土日などの休日が多いとのこと。

どうしても平日は人手が少なく、作業は限られた人員で行うことになるのだそう。

僕が行ったのは被災して1週間後だったけど、まだまだ復旧というには程遠い状態で、どう考えても何ヶ月もかかる状態。

これから寒い冬がやってくるので作業は急がないといけないし、行ける人はたとえ1時間でも行って手伝ってあげるときっと喜ばれる。

最初は「自分1人が行ってもたいして変わらないでしょ・・・」と思っていたけど、自分がやらなかったらその分を別の誰かがやらないといけない。

作業は少しだけかもしれないけど、やった分確実に前進はしているわけで、ほんの少しでも手伝う価値は大いにあると思う。

息の長い支援。

できることを少しずつやっていきたいと思います。

(おわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

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