(こちらより続く)
瓶への加工精度向上が課題
Rotaryに瓶をセットしてレーザー加工した際に特に気になったのが縦のスジ。
滑らかなベタになっていないし、一部加工されていないところもあってとても気になる。
細かくなると余計にちょっとしたズレが致命的になってしまうので、このままだと使えない印象。そして・・・イラストはなぜこんなにぐちゃぐちゃになるんだ??
一番の問題はこのRotaryの2本の回転するバーがガラスに対して摩擦が低く、滑ってしまうからだと予想。
このバーを滑らないようにするのが先だとホームセンターなどでいろいろと物色をしていました。ただ、ゴムシートを巻き付けるにしても重なる部分で段差はできるし、いまいち搬送に不安がつきまとう。
そして車を運転しているときにふと閃いた。
輪ゴムで瓶を保護してあげればいいんじゃね??
うまく行く気しかしなくてちょっとテンションがあがりました。
輪ゴムで巻いて実験
beamoのRotaryに瓶をセットし、筒けんのロゴのデータ(SVG形式)を読み込ませてみました。パラメーターはプリセットの「ガラス-モノクロ彫刻」です。
加工状況を見ていると、明らかに先とは違っていい状態で彫刻ができています。
それにしてもRotaryで加工を進めようとすると最初に「モーター変換」のアラートがでてくるのはなんなんでしょうね?いちいちめんどくさい。
その後すぐに「続き」を押さないと加工がスタートしません。
まあこの一連の流れは「儀式」としてスルーしつつ、実際の仕上がりはどうだったのでしょうか?
結果は・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
じゃん!これです!!
縦の線がなくなり、とてもきれいな彫刻になりました。やったね!!
うっすらと縦の線は見える気がするものの、以前とは比べ物にならないくらいきれいです。
これなら十分実用に値するレベルですね。よかった。
その後、Twitterでコメントもいただきまして、改めて輪ゴムが効果的だったと認識できました。コメントありがとうございます!!!
始めまして。別メーカーの機械の話になりますが、幅が広くて径の小さい輪ゴムをコップの上下にはめて彫刻テストしたことがあります。その時は小さい面積だったのでうまくいっただけかわかりませんが、つるつる滑ることもなさそうでした。もしもうお試しだったら失礼しました
— まめうまし (@callambulyx) August 11, 2020
こんどは平ゴムでもぜひ挑戦してみたいと思います。
イラスト入りもうまく加工できるのか?
続いて、イラスト入りの絵は彫刻できるのかやってみました。
データはこんな感じ。プチてんとう虫農園のイラストです。こちらもSVG形式にてillustratorより書き出したデータを使っています。
文字はきれいにでていますが、イラストはなんだこりゃ??ひどいにもほどがあるww
救世主あらわる
こりゃ使えないなあ・・・と途方に暮れていたところへ、Twitterでコメント。
何だろう。イラストの方はベクターデータでしょうか。beamstudioでレイアウトした文字は、ラスタ変換してるっぽいんですよね。
— sum (@sum_o) August 11, 2020
このコメントはまさに目からウロコでした。いつもコメントありがとうございます!!!
いままでIllustratorでSVG形式で書き出したほうが精度が上がるような気がしていて、ベクターデータのままずっと加工していました。
SVGファイルは「スケーラブル・ベクター・グラフィックス、Scalable Vector Graphics」の略。その名の通り、ベクターデータなわけです。
ベクターデータとはベクトルデータとも呼ばれ、点(アンカーポイント)と線、カーブ、色などを数値データとして扱い、拡大縮小してもクオリティが維持されている(=ボケない)半面、複雑な画像の表現には向きません。
ラスターデータとはピクセルデータとも呼ばれ、格子状(1ピクセル)の点の集まりで、それぞれのピクセルごとに色が決められて全体を表現しています。jpgやpng、bmp、gif、tiffなどのデータがそれにあたり、拡大縮小すると画質が荒れてしまいます。
つまり今回の場合で言えば、IllustratorからSVG形式で書き出すのではなく、jpgやpngなどの形式で書き出せば(=ラスタライズすれば)いいわけです。
beamoはjpgやpngなどの画像データにも対応しているので全く問題ないのに全く気が付かなかった・・・。
ラスターデータで加工してみた
そうとなればこんどはSVGでなく、PNGで書き出して配置して加工をしてみました。
パラメーターはやはり「ガラス・モノクロ彫刻」。
ところが・・・(笑)
beamoは0.05mmで彫刻できるとどこかに書いてあったような気がしていましたが、ラスター形式だと細い部分は再現が厳しいのかもしれませんね。
Illustrator上では0.65mmくらいあった線が全然でていないところを見ると、ある程度の線の太さは必要なようです。
再チャレンジ
こんどは細かさを追求せず、もう少し大きな画像にしてみました。こちらもPNG形式です。
そして結果は・・・
やりました!!こんどは問題ない仕上がりです!!
イラストはベクターよりもラスター形式ですね!!
これでガラス瓶への彫刻加工はだいだいできそうな目星がつきました。
お酒の瓶などへの柄も含めた加工も興味あるので、外周の長さを出してデータをつくり、今度加工してみようと思います。
試作が楽しくて、止まりません。
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