ずくトラ。ずくを出してトライする。
思うこと

【新型コロナウイルス狂想曲】ドキュメント 路上で泣く子 ~ 突然の学校最終日

突然の小中学校休校要請

2月27日(木)夕方、ニュース速報で安倍総理が全国の小中高などの休校を要請。

ご存知のとおり、休校は週明けの月曜日、3月2日からの実施要請ということで、強制力はないものの先生や小中学生の子供を持つ家庭は浮足立ちました。それもそのはず、3月2日からということは実質2月28日(金)1日ですべてを終わらせなくてはいけないということ。

当然準備などできているはずもなく、不安なまま2月28日を迎えました。

各市町村ごとで対応は分かれたものの、上田市は3月2日からの休校を決め、残り少ない学年の授業も、卒業生と在校生の交流も、その他さまざまなものを犠牲にして学年最終日が過ぎていきました。

道端でものすごい荷物とともに泣く子たち

たまたま自宅近くを通りかかったところ、学校からほど近い道端にものすごい荷物を持った1年生と思しき3人。1人は泣いていて、他の2人も泣きそうな顔をしている。

突然最終日になってしまったので、荷物を一度に全部持って帰らなければいけないという罰ゲームのような状況になってしまったわけですね。


一度通り過ぎたのだけど、やっぱり気になってUターン。いろいろ迷ったのだけど道端に車を停めて

オレ「お家まで送ってあげようか??」

これ、完全に

誘拐しようとしているアブナイオジサン

のパターンだな・・・と思いながら声をかける。

「いいです、知らない人についていったらいけないから」

そりゃそうだよね。

オレ「知らなくないでしょ?けん玉で教えに行っている先生だよ。そして○○のお父さんだよ。」

「あー、けん玉の先生かー」そしてムスメの名前でわかってくれたみたい。けん玉やっててよかった(笑)

それでも今の子たちはきちんと教育されていて、たとえ知っていても他の人についていったらダメだと教えられている。

「えー、でもクルマのりたーい」泣いていた女の子が言うとすかさず他の子が

「ダメだよ、やっぱり」

そんなやりとりをしていると何台もクルマが通りかかり、徐行しながら怪訝な視線を向けてくる。

完全に誘拐オジサンだわ・・・

オレ「どうする?自分で歩く??どっちでもいいぞ」

子供たちはもう荷物が重くてクルマに乗りたいのはやまやまだけど、親しくもない人のクルマに乗せてもらうのは抵抗があって、さらに親にバレたら大変と思っている模様。

困っているとたまたま通りかかった近所の人が「どうしたの?」とこちらに聞いてくるので「かくかくしかじか」と事情を説明。

「大丈夫よ~。その人は。乗せていってもらいなさい~」おばちゃん、ナイスアシスト!

10分ほどその場であーだこーだ言っていて、ようやく3人でクルマに乗ることに決定。

乗るまでにさらにひと悶着

ようやくクルマに乗る段になって

「わたし前がいい~」「わたしも~」

助手席争奪戦が突如勃発・・・。

オレ「じゃんけんして勝った人が前ね、負けても恨みっこナシだよ」

とその場をなだめてじゃんけんさせて1人の子が勝った!そしてもうひとり半べそ・・・・。

もう半ば無理やり3人をクルマに乗せて出発することにした。

完全に誘拐犯のそれ・・・

もうなんとでも言ってくれ。

出発して1つ目の落とし穴

ようやく出発。

オレ「みんなのおうち知らないからどこで止まるか教えてね」

進み始めて30m

「あたしここ~」

オレ「え?ここ曲がるの?あっちの方??」

聞いたらすぐそこの家(笑)

「バイバーイ」といって1人目が降りていった・・・。

クルマに乗せた意味・・・。

さらにこの先試練が待ち受けているとは思いもよらなかった。

おばあちゃんち

そこからは通学路をずいずいと走行。

かなり先に行ったところで、「ここで降りる~」とのこと。

空き地にクルマを停めて2人が降りるときに会話を聞いているとおばあちゃんちでおやつを食べていくのだそう。

ただ、そのうちの1人は帰ると言っている。

そこでまたしばらくおばあちゃんの家に行くだの、行かないだのの話し合いが始まり、5分ほどまた不審な集まりを目撃されたあと、結局

おばあちゃんちはパス

ということになり、再び二人をクルマに。

内心ぐったりしながら先へと再びクルマを走らせるのでした。

ママにバレるからダメ

さらに先へクルマを進め、1人の子の家に到着。その家の駐車場にクルマを入れて方向転換させようとしたら

「ママにバレるから入らないで!!!」

オレ「お、おう・・・」

バレるもなにも家から丸見えの場所だし、それよりも路上で停車しているこの状態のほうがよっぽど不審者なのだけど・・・。

クルマ停まってないから家に誰もいないっぽいし・・・。

そしてさらに

「荷物おいてからまた来るから待ってて」

アナタを置いてすぐ先に行きたいんですけど・・・。

仕方ないので待つこと5分。

細い路上にずっとクルマを停めておくのもなんなので、一人残った子に家の様子を見に行かせると

「なんか奥で声が聞こえるけど○○ちゃんでてこない」

オレ「じゃあ、先行こうか」

なんとか納得してくれたので細い路地をくねくねとバックして通りに戻り、最後に残った子の家の近くへ。

クルマを停めて最後の一人を降ろすと

「じゃーねー」

オレ「・・・」

サクッと10分くらいで送迎を終わらすつもりが、1時間近くもかけて送迎

疲れがドッと出たのは言うまでもありません。

子供たちは被害者

もう途中「余計な親切心出さなければよかったなあ・・・」と思いつつも、あの状況を見て見ぬ振りするのはさすがにできず、何が正解だったのかいまでも悶々。

それよりもその後もものすごい荷物を持った子供たちを何人も見たので、学校側も荷物をあとで取りにこさせるなどの配慮ができなかったのかなあ。

きっと先生方もバタバタしすぎて大混乱していただろうからそこまで頭が回らなかったのかもしれないけど、あれは罰ゲームというよりも拷問といってもいいくらいのレベル。

全然別の場所でも中学生が両手に背中にものすごい量の荷物を持って、肩で息をしながら苦しそうに立ち止まっているのを目撃。

子供たちの命を守るという話だったけど、子供たちには過酷な状況にしか見えなかったなあ。

初めてのケースで誰もが混乱していたとは思いつつ、とても考えさせられた日でした。

早くコロナウイルスの脅威がなくなりますように。

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