操作パネルのスイッチ部分がボロボロに
石油ファンヒーターなどの操作パネル。スイッチ部分が盛り上がって加工されており、ボタンが押しやすくなっています。印刷ではこの盛り上がる加工を「ドーム加工」とか「エンボス加工」と言います。
このスイッチ部分なんですが、使っているとボロボロになってきませんか?薄いフィルムが浮き上がったようになり、一部破れたりして見た目にも超汚い。あまりの見た目の汚さにイライラしている人が意外にいるかもしれません。
知っている人は普通に知っていますが、このフィルムの状態、
「実はまったく問題ない(むしろ普通)」
だということを知っていますか?
実はこのボロボロになっているのはパネルの基材部分ではなく、単なる保護フィルムです。
保護フィルムとは
こういったパネルを印刷する場合、透明の樹脂板の裏面から印刷をかけます。なぜなら表面に印刷してしまうと、印刷面が傷つくことで色がはがれて(とれて)しまうから。それを防ぐために裏面から印刷するわけですね。
そして表面はというと、樹脂板の透明部分がむき出しになっているわけですが、このまま印刷をしたり、持ち運びをしたりすると透明樹脂部分がキズついてしまう場合があります。
お客様への販売後であればキズがつこうが知ったこっちゃないのですが、工場から出荷してお客様へ届くまでの間にキズがついてしまうとそれだけでクレームになってしまうケースがでてきます。そのため、お客様に届くまではちょっとしたことでキズがつかないように、もしキズついても基材には影響がないように、ということで樹脂板(操作パネル)の表面にはあらかじめ保護フィルムが貼られています。
お客様に届いてもこのことを知らなければ保護フィルムはずっと貼られたままなので、そのまま使用されることでだんだんとその保護フィルムがはがれたり破れたりしてくるわけです。
スマホのガラス面も同じ理由で最初は薄い保護フィルムを貼ってる場合がほとんどです。
保護フィルムをはがしてみる
それでは保護フィルムをはがしてみます。
パネルの端っこをカリカリ爪で擦ってみるとうすいフィルムが剥がれてくるのでそれをもってペリ~っと。実はこれ、けっこう気持ちがいい(笑)
保護フィルムを完全にはがすとピカピカのスイッチがお目見えです!さっきまでのボロボロのスイッチからは見違えるようになりました。
操作パネルに使われている樹脂の板はPETやポリカが多いのですが、これは長く使ってもボロボロになることはまずありません。加工によってはドーム加工(エンボス加工)の盛り上げの端のところが切れてくることがありますが、それは設計者か加工者の設計ミス、加工ミスの可能性であることも・・・。とはいえ、あまり多い回数を押した場合はやはり樹脂がヘタってきます。
知っている人なら「保護フィルムをはがせば終わりやん!」で終了なのですが、意外と知らない人がいるようなので書いてみました。
知ってた??
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