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「ラミネートしておけば水に濡れても大丈夫だから」
チラシやシール、POP等で使う印刷物。「雨で濡れたり、湿気が多い場所で使うものだからラミネートしておこう」というときどんなことに気をつけますか?
よくあるのが
「ラミネートしておけば大丈夫!」
という盲信。
でも実際は
「ラミネートしても大丈夫じゃないよ!それよりも素材や使い方に気をつけて!!」
というのが実際のところです。
「水に濡れても問題ないようにしたい」という目的のためには、次の点に注意しないといけません。
【ラミネートの際の注意】
・紙系の素材にはいくらラミネートをしても水は侵入してしまう
・紙系の素材を使いたい場合は外周をパウチなどで密封する
大きく分けてこの2点が大切になります。
【実験】紙系の素材にはいくらラミネートをしても水は侵入してしまう
今回2種類のシールを用意しました。1つはコート系(紙系)のシール、もう1つはコート系(紙系)のシールにラミネートをしたものです。
こちらはコート系の「ラミネートがされていない」シール。
そしてこれはそのコート系の紙シールにPETラミネートがされているもの。電気が反射していますね。
実験:コート系(紙系)のシールと、コート系(紙系)のシールにPETラミネートをしたものを水に浸けてみる
突然ですが、ラミネートがされていない紙系のシールと、ラミネートされている紙系のシールを用意し、水をかけてみました。
PETラミネートをかけたシール(左側)は水をはじいているように見えますが、紙系のシール(ラミネートなし)は水が大きく広がり、だんだんと水が染み込んでいくようです。
コート系(紙系)のシールは水を吸ってフニャフニャに。
ラミネートがされていない紙系のシールは、水を吸ってフニャフニャになってきました。場所によっては波打ったようになっているところもありますし、乾いてもピシっとはなってくれません。
ラミネートをしてものは水は弾いてる??
ラミネートをしたラベルは一見問題ない(=水を弾いている)ように見えましすが・・・
よく見るとラミネートのかかっていない断面(側面)から水が染み込んで色が変わってきています。
ラミネートをかけても側面から水が侵入してしまう
パウチ(ラミネート)をした場合はどうなのか
「ラミネーター」と呼ばれる、フィルムをはさんで熱で圧着させるタイプ(=パウチ)の場合はどうなのでしょうか?
この場合、
用紙の外周が圧着されていれば水に強い
状態になります。
よくパウチ(ラミネート)をしたあとに、ハサミで切って使う場合がありますが、ハサミで切ることにより用紙の断面が見えてしまうような場合、やはり水に対して弱くなってしまいます。
水に濡れても大丈夫な形にするにはフィルム系の素材を選定する
水に濡れても大丈夫な形(=水に強い)形にする場合は、ラミネートの有無にかかわらず「フィルム系の素材」を使うことが大切です。
【フィルム系の素材の例】
・PP(ユポなど)
・PET
・塩ビ
フィルム系の素材を使用することで水に対しては強くなります。安価に済ませたいならユポがオススメです。
但し、ユポへ印刷をする場合、家庭用のインクジェットプリンタはNG。最低でも印刷機や レーザープリンタの使用がオススメです。但し、一般的なユポ紙は熱に弱いので、レーザープリンタに通すとプリンタが壊れます・・・。
ユポにレーザープリンタを使って印刷する場合は専用のものを使いましょうね。
なお、ユポは選挙の投票用紙にも使われている素材で、マットな手触りがクセになります。また、ユポ自体は耐久性がそれほどあるわけではないので、長期の使用(屋外など紫外線にあたるところ)は利用に適しません。長期で利用する場合はPETや塩ビなどを利用したほうが確実です。
素材の選定ミスでのラミネートの失敗をなくそう
以上のように、素材の選定ミスによりラミネート自体が意味がなくなってしまうケースはよく見られます。
正しい知識を持ってラミネートを活用したいですね。
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