ずくトラ。ずくを出してトライする。
思うこと

信州大学の「たこ足キャンパス」問題を部外者が勝手に考える

信州大学はキャンパスが長野県内5箇所に分散

最初に断っておきますがワタクシ、信州大学の出身でも関係者でもなにもありません。

ただ、信州大学の学生さんがリアルに1年から2年へと進級する際にさまざまな葛藤を感じているのを間近に見ているので、なんとかならないのかなあと常々思っていました。

知らない方のために説明すると、長野県にある信州大学はキャンパスが5箇所に分かれています。

・松本キャンパス:人文・経法・理・医学部
・長野キャンパス:教育学部 ← 長野駅の北にある
・長野キャンパス:工学部 ← 長野駅の南にある
・上田キャンパス:繊維学部
・伊那キャンパス:農学部

信州大学の1年生は全員松本キャンパスで共通教育科目を勉強し、2年生になると各学部のあるキャンパスで勉強する形になります。

人文・経法・理・医学部の学生さんは1年からずっと松本キャンパスですが、それ以外の学部では松本を離れ、それぞれの学部のあるキャンパスへ引っ越します。

そのため、信州大学ではこの大学特有の言葉が存在します。

【離松】・・・松本を離れること。2年生になり、松本以外のキャンパスへ移動すること。

【通松】・・・松本に通うこと。単位を落とし、松本以外に引っ越したものの、授業を受けるために松本に通うこと。

【在松】・・・そのまま松本にいること。人文・経法・理・医学部の学生さんは「在松組」と呼ばれているようです。

1年生になり、サークルに入って学部を越えて友達ができたのに、2年になり各学部のあるキャンパスに行くためにバラバラになってしまうんです。

それまでみんな仲良く練習していたものが離松によって引き裂かれてしまい、なかなか交流が難しくなる。

そう、長野県はどこへ行くにも山を越えないと行けないばかりか、電車がそれほど発達しているわけではないので移動に困難を伴います。

キャンパス移動の例

例えば松本キャンパスから上田キャンパスは直線距離では40キロちょっとで三才山という峠を越えて約1時間ですが・・・

電車移動の場合だと松本駅から一度篠ノ井まで出て、そこからまた南下しないといけません。ちょうど三角形の2辺をとおるイメージですね。

時間1時間9分とでていますが、乗り継ぎが悪いとこれ以上の時間平気でかかります。

さらに大学から駅の間はそれぞれそれほど近くないのでプラス1時間近く見積もらないと厳しいです。

そして一番北の教育学部と一番南の農学部ではなんと117kmも離れている・・・。

高速道路使って1時間半ですよ・・・。

学生単独で移動するにはちょっと厳しい距離ですよね・・・。

あらためて今朝(5月30日付)の信濃毎日新聞の記事

信濃毎日新聞に「たこ足」キャンパスを強みに変えるという記事が出ていました。

この中では拠点の分散は「人件費や物件費がかさむ他、学生や教員らの移動の負担、学部連携による共同研究の困難さ」など弊害がいくつもある反面、「地域連携に強みを見出し、自治体や地元企業のニーズに合った連携ができる」というメリットもあると書かれています。

確かに幅広い地域をカバーしている分、長野県内のいろいろな場所で地域と連携ができるメリットはあるかもしれませんが、学生さんの負担はやはり相当なものですよね。

学生さんのコメントも、かなりオブラートに包まれている気がしますが(笑)やはりキャンパスの移動は負担になっているのが伝わってきます。

キャンパスが統合できない以上は移動手段を増やすしかない

僕の知っている限りではキャンパス間の移動に大学側でシャトルバスを用意するなどの対応はしていないようです。

まずは1日3~4本でもいいのでキャンパス間のシャトルバスを走らせ、学生さんは無料(もしくは格安)で利用できるようにするべきなのではないかと思います。

現在の路線バスのルートを少し変更することで、大学独自路線ではなく、既存の路線を有効活用する。

伊那や長野のキャンパスであれば、高速バスの路線を少し調整して大学を経由するようにできないものでしょうか。

ただ、当然のことながら財源の問題がでてきます。

市や大学の補助ももちろんですが、バスを利用する学生側がもっとバスの便利さを一般向けに発信して利用者を増やしたり、バスの利用促進やバスを利用した地域活性化の方法をバス会社と一緒に模索していくことでさまざまな経済効果を生み出すことができるのではないかと思います。

もちろん簡単な話ではないのですが、キャンパス間の移動手段を確保してあげるだけでもかなりの効果はでるのではないでしょうか。

地域間の連携もいいですが、やはりまずは学生間の連携を壊さないような方法がとれれば良いなあと(部外者ながら)心から思います。






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